2週間ぶりについた連絡

元日に発生した大地震から、2週間が経過した1月15日の夕方。宮内さんから電話があった。

「浄水場は全然大丈夫!ばんばん動いてる!」

数年ぶりとなる会話。宮内さんは開口一番に伝えてくれた。

「地盤にものすごい数の杭が打ってあったから、施設は全然大丈夫」

電波状態が良くないのだろうか、電話は時折途切れそうになる。

「ここまで手を掛けて設計した施設が傷んでいたら、私が恥ずかしい」

宮内さんは、技術者らしく笑ってみせた。

地震の発生以降、矢波浄水場は重要な給水拠点として機能しており、全国から応援に駆け付けた給水車や、自衛隊の車両が、毎日何十台も水を補給するためにやって来ているという。