「耐震補強がしやすい社会的なシステムを作るべき」

 一方、防災研究の第一人者である神戸大学・室崎益輝名誉教授は、能登半島地震で建物の被害が大きかったことについて、その地域が抱える問題も影響しているといいます。

 (神戸大学 室崎益輝名誉教授)「高齢化社会・過疎化が進む中で経済的に疲弊をしていて、高齢者が立派な家に住んでいるけれども耐震補強をして修理するお金がないので、ズルズルと修理を延ばしてきたところがあります。高齢者世帯や経済的余力のない世帯でも耐震補強ができるような社会的なシステムを作らなければならない。それぞれの人に耐震補強をしなさいと言っているのでは前に進まない」

 能登半島地震では今も安否不明者の懸命な捜索活動が続けられています。29年前に神戸で起きたこと、今年能登で起きたこと。繰り返さないために何をするべきか、今一度考えていかなければなりません。