「簡単に離れるというのは・・・」 “2次避難” 抵抗感も 住民の思いは

藤森キャスター:
より良い環境という点で言いますと、2次避難所があります。石川県では、11日14時時点で、255の施設を県の内外に開設しています。(県内:200施設・県外55施設)6886人の受け入れが可能で、日ごとに数は増えてきている段階に差し掛かっているそうです。

輪島市の場合ですと、避難所はホームページから申し込むことができるそうです。2次避難所までの移動手段などを入力することで、実現できるということです。
一方で、2次避難所へ移るという、動くリスクも考えなくてはいけません。実際に現場の方に話を聞くと、「命を救われたのはこの地元だから」「支えてもらったから、生きていけたんだ」「簡単に離れるというのは、今後のことを考えるともう心がもたない」という声が多くありました。

東京大学准教授 斎藤幸平さん:
やはり助け合いやコミュニティがあってこそだと思いますので、そこを離れることは助け合いがなくなり、孤立してしまう可能性がある。
さらに言えばこうした地域は元々、過疎であったり、高齢化が進んでいる地域なので、自分たちがこの土地を一度離れてしまったら、もう戻ってこないんじゃないか、国もこのような地域の復興に、どれぐらいのお金を使って、インフラなどを再整備してくれるのか、とても不安があると思います。
今、震災で被災された方は、多くのストレスを負って、心のケアが必要な状態です。2次避難所に行くことによって「自分たちはこういう形で最終的に見捨てられてしまうのではないか」という不安を増強することになってしまうのであれば、広域避難というのはちょっと難しいリスクがある選択肢ですね。