双子兄弟より年の差兄弟が多くなった
兄弟タスキリレーは西鉄の設楽兄弟が行う。弟の悠太が2区に、兄の啓太が3区に登場する。
12月3日の甲佐10マイル(約16km)では悠太が47分02秒で19位(チーム1位)だったのに対し、啓太は48分54秒で85位(チーム6位)と良くなかった。その2日後に取材した際も、啓太自身は、出場するかどうかも含め「区間はわからない」と話していた。甲佐10マイルの後に、啓太の状態が良くなったことで主要区間の3区起用が決まり、実業団入り後では初の設楽兄弟タスキリレーが実現する。
今大会の双子兄弟は設楽兄弟1組だけ。他の兄弟出場選手はすべて、年の差のある通常の兄弟である。今回のニューイヤー駅伝出場の兄弟選手は以下の通り。
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■そろって出場する兄弟選手
服部弾馬(28、NTT西日本1区)&服部勇馬(30、トヨタ自動車7区)
定方駿(26、マツダ1区)&定方俊樹(31、三菱重工6区)
太田直希(24、ヤクルト1区)&太田智樹(26、トヨタ自動車2区)
設楽悠太(32、西鉄2区)&設楽啓太(32、西鉄3区)※双子。啓太が兄
田村和希(28、住友電工3区)&田村友佑(25、黒崎播磨3区)&田村友伸(22、黒崎播磨6区)
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■1人だけ出場する兄弟選手
村山紘太(30、GMOインターネットグループ1区)&村山謙太(30、旭化成)※双子。謙太が兄
市田孝(31、旭化成7区)&市田宏(31、旭化成)※双子。孝が兄
松村和樹(30、愛知製鋼3区)&松村優樹(30、Honda)※双子。優樹が兄
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宗茂、宗猛兄弟がマラソンで、80年モスクワ五輪(日本はボイコット)、84年ロス五輪とそろって出場。その後も長距離界には双子兄弟、姉妹が多かった。
ニューイヤー駅伝では松宮隆行・祐行兄弟(コニカミノルタ)、大西智也(旭化成)・一輝(カネボウ)兄弟、設楽兄弟、市田孝・宏兄弟(旭化成)、村山謙太・紘太兄弟(旭化成)と双子が活躍してきた。松宮兄弟、市田兄弟、村山兄弟は、同一大会とは限らないが、2人とも区間賞を獲得している。
年の差の兄弟で区間賞を獲得したのは、これも厳密に調べきれないが、90年代後半の小島宗幸・忠幸兄弟(旭化成)だけかもしれない(2人ともマラソンで大活躍した)。それが近年は、今大会のように年の差のある兄弟が活躍するようになっている。太田兄弟、服部兄弟が同一大会で区間賞を取れば、ニューイヤー駅伝の歴史を彩る出来事になる。
(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)
※写真は田村和希選手(左)、田村友佑選手(右)