男子400mハードルの世界記録保持者、K.ワーホルム(29)が来日。東京世界陸上に向け合宿地の福岡でトレーニングを行い、練習後のインタビューで今大会への意気込みなどを語った。

ワーホルムは4年前の東京オリンピック™の決勝で、45秒94の世界新記録をマーク。フィニッシュ後は、ユニフォームを引きちぎって絶叫するなど熱い一面も。東京五輪のときも福岡で事前合宿をしてから東京に入った。

3日に福岡空港に到着したワーホルムは「僕たちはどんな時も楽しむ。そうすれば良いパフォーマンスができるから」と笑顔で答え、タッグを組んで10年の68歳・オラフコーチも「ベストを尽くせば結果はついてくる」と自信をのぞかせた。

練習ではオラフコーチのリュックから特製のハードルが登場。地元のノルウェーでは、氷の上でのトレーニングにも取り組むなど、コーチのユニークな発想による練習もワーホルムの強さを支えている。この日はぶつかっても痛くない“手作りハードル”で練習を行い、順調な仕上がりを見せた。

練習後のインタビューでは「日本に来るのが大好きですし、東京オリンピック以来ずっとここに戻ってきたいと思っていました」と“日本への愛”を語り、意外な“マイブーム”など、気さくに答えてくれた。

ワーホルム選手:またここ(日本)に戻ってこられて本当にうれしい。400mハードルの(今の)状態はすごくいいです。速い選手はたくさんいますし、実際に今のライバルたちは4年前の(東京)オリンピックとほとんど同じ顔ぶれです。本当に素晴らしいレースになると思います。

Q.絶対勝ちたいですよね?

ワーホルム選手:もちろんです。

Q.勝利とタイム、どちらが大事ですか?

ワーホルム選手:やはりメダルが一番大事だと思います。勝つためにここに来ました。それが僕の目標です。

Q.日本料理はもう食べましたか?

ワーホルム選手:もちろんです。和牛ステーキを食べました。世界陸上が終わった後は日本に残って休暇を取るので、そのときにはもっといろいろ新しい料理を試したいです。

Q.それはいいですね。では世界陸上に向けて一言お願いします。

ワーホルム選手:オリンピックスタジアムで、たくさんの観客の前で走れるのは本当に素晴らしいことだと思います。美しい東京という街で、世界中の選手が集まって競い合うことは本当に特別なこと。日本の皆さんにぜひスタジアムで僕たちの走りを見てもらいたいです。

Q.子どもたちもたくさん来るそうですよ。

ワーホルム選手:それは素晴らしいことです。子どもたちが来てくれるのはいつだってうれしい。スポーツの大きな目的の一つは、次の世代にインスピレーションを与えることだと思います。

世界記録を出した日本でのレースに期待が膨らむ中、最近ハマっているという“盆栽”の話しに。。。

ワーホルム選手:宿泊しているホテルに大きな盆栽屋さんがあって、僕は「ぜひノルウェーに一つ持ち帰りたい」と思いました。でも引退するまでは人工の盆栽で我慢するかもしれません。盆栽は手入れが大変だと聞きましたし。僕は旅が多いから。でも引退したら本物の盆栽を育てて、きちんと世話をしたいですね。

Q.なぜ盆栽が好きなんですか?

ワーホルム選手:象徴的でかっこいいと思うんです。小さいのに本物の大きな木のように見えるところが好きです。ノルウェーには盆栽はあまりないので、僕がトレンドを作るかもしれません。

Q.世界記録保持者であり盆栽の人。

ワーホルム選手:それが僕です。

世界陸上では17年ロンドン、19年ドーハ、23年ブダペストで金メダル。世界新を出した国立競技場で、4回目の金メダルへ。男子400mハードルは15日に予選、17日に準決勝、19日に決勝が行われる。