10000m合計タイム日本最速の太田兄弟

太田智樹・直希は、10000mの合計タイム日本最速兄弟だ。兄の智樹は12月10日の日本選手権10000mで2位になった際に、27分12秒53の日本歴代2位をマーク。同じレースで11位の直希は27分52秒10の自己新で走った。

現在は智樹が大きくリードしているが、一時期、直希の方が記録が上だった期間があった。智樹は故障の影響もありトヨタ自動車入社1年目(20年)までは28分20秒54が自己記録だった。それに対し直希は早大3年時(20年)に27分55秒59を出した。ニューイヤー駅伝前の取材で智樹が「記録を抜かれたのは初めてなんです」と話していた。

智樹も学生時代の駅伝の戦績から、10000mのタイム以上の力があるのは明らかだった。入社2年目に27分33秒13を出すと、ニューイヤー駅伝3区で区間2位(区間1位は相澤)。3年目の前回は大迫傑(Nike、GMOインターネットグループに参画)を抑えて区間賞を獲得した。今回は2区(21.9km)の区間賞候補筆頭に挙げられている。

弟の直希は新人だった前回、1区(12.3km)で区間3位と好走した。今回も連続で1区を走る。太田兄弟が1、2区で連続区間賞を取る可能性がある。

兄弟区間賞の可能性は服部兄弟にもある。兄の勇馬は東京五輪マラソン代表だった。ニューイヤー駅伝でも19年と21年に5区で、そして前回は今回と同じ7区で区間賞を取っている。マラソンはもちろんだが、駅伝でも向かい風や単独走で強さを発揮している。

弟の弾馬はトラックの3000m、5000mで活躍してきたスピードランナーで、ラストスパートの能力が高い。今季は10000mで28分05秒44まで自己記録を伸ばし、関西実業団駅伝4区でも区間賞を取った。勇馬の記憶では同じ日に行われた地区実業団駅伝で、2人一緒に区間賞を取ったのは初めてだという。

今回の弾馬は得意とするラストスパートが活かせる1区。勇馬はアンカーの7区。勇馬も駅伝のラスト勝負では、箱根駅伝2区を含め「負けたことがない」と言う。1区で弟の弾馬が区間賞を取り、アンカーの7区で兄の勇馬が区間賞で締めくくる。その可能性は十分ある。