ミシンは凄腕…でも学校に行けない理由は

しかし、1年ほど前から学校に行けない状態が続き、現在は自宅からリモートで授業に参加しています。それには、ある理由がありました。

自宅からリモートで授業に参加

奏さん「他の人はもうちょっと体力あるのに…とか考えてしまいますね。障害なので仕方がないんですけども」

奏さんは同年代の子どもと比べて極端に体力がなく、文字を書くことが苦手です。
「書字障害」いわゆる学習障害のひとつです。小学校の頃は、授業の書き取りに苦労し、居残り勉強をする日々でした。

ノートに残る苦労の跡

リモートで参加する授業では、デジタル教科書が奏さんを支えます。

奏さん「ノートに書いたり教科書に書いたりすると…後で読むときに解読という手間が入るからめんどくさくて。ふふふ」

苦手なものを抱えながらも、自らのミシン作品を評価されることが自信になっている奏さん。作品で喜んでもらえた経験は、ミシン技術の向上にも繋がっていました。

作品が自信につながる

ミシンの音が響くリビングで作業する中学2年生になった奏さん。体の成長に伴ってよく見るとミシンも、マンガ雑誌で高さが底上げされています。

母親「フットペダルも最初両足で押してたんですよ。力足りなくて」
奏さん「それは覚えてる」

ミシンのフットペダルも片足で踏めるように

ミシンでの作品作りが奏さんのアイデンティティになるなか、毎年挑戦を続けているのがミシンの業界団体が実施する全国コンクールです。前回は、弟が好きなエイをモチーフにした服で挑戦。今年は自分が得意とするカバンで挑みます。