“あなたはひとりじゃない” 悩みを克服するために大切なこと

オフ会ではさまざまなトラウマが共有される。

小学生時代に息が「玉ねぎくせえ」と言われ、それ以来、人前であまり笑ったりしゃべったりできなくなった。自分のニオイが気になって、人と会わないようにトイレ清掃の仕事を選んだ。その人の人生に影響を与えるのは、実は何気ない「くさい」という一言のことが多いのだという。

ニオイ悩みカフェ「ゆあのあ」 中道亜希子さん
「人から『くさい』と言われると、人権を踏みにじられたような、死にたくなるようなトラウマになる。のちに、くさくなくなったとしても、誰も『前はくさかったけど、今くさくないよ』って教えてくれる人もいないから、『自分はくさい』って思ったまま生きていってしまいます。

コンプレックスがあると、人を信じるのが難しくなります。だからこそ、本当のことを言ってくれると信頼できる人を見つけて、悩みを打ち明け、確認してもらうのが、悩みを克服するために1番重要なことかなって思ってます」

悩みを抱える人にとって、自分が信頼できる人になれば…と、中道さんはオフ会を開催し、悩みに耳を傾け、脇や頭などに鼻を近づけている。

このカフェの名前「ゆあのあ」は、「you are not alone(あなたはひとりじゃない)」の頭文字をとったものだという。ニオイに限らず、コンプレックスは人を悩ませる。しかし、悩んだ時に1人で抱え込むのではなく、仲間がいると思えること、信頼できる人は見つけられると知ることは、どんなコンプレックスと向き合う際にも大切な要素なのかもしれない。