マスクをしなくてもいい生活になり、自分の口臭は大丈夫かしら、などと気にしている人もいるかもしれない。自分のニオイを客観視するのはなかなか難しい。そのため、何十年も自分はくさいのではないかと悩み、人混みを避け、周囲の咳払いを恐れ続けている人たちがいる。そんなニオイの悩みを抱えた人が集まるカフェが今年、オープンした。そこで行なわれていたこととは…。
「悩みから解放してあげるきっかけに」オフ会で他人のニオイを“クンクン”
今年4月、東京・東久留米市にオープンしたカフェ「ゆあのあ」。店内はピアノのBGMが流れ、緑を基調とした落ち着いた普通のカフェなのだが、休日になると様相がガラッと変わる。

店内では、女性が他人の脇に鼻を近づけ、また他人の頭皮に鼻を近づけ、クンクンとニオイを嗅いでいる。女性はなぜ、そんなことをしているのだろうか。なぜ、ニオイを嗅がれた人は嫌がらないのか…。
実はこのカフェ、休日になると“ニオイを気にする人たちが気軽に集えるオフ会”を開催している。SNSで開催日が告知され、予約した参加者はどんなニオイで悩んでいるかなどを語り合うのだという。クンクンとニオイを嗅いでいた女性はこの会の主催者で、カフェのオーナーの中道亜希子さんだ。
ニオイ悩みカフェ「ゆあのあ」 中道亜希子さん
「自分のニオイで悩んでいる気持ちを分かり合える仲間を作れる場所、お互いを受け入れ合える場所を作り、1人でも多くの人を悩みから解放してあげるきっかけになるといいなと思って」
実際、集まっている人は、この会に参加することで「気が楽になった」と言って帰っていくという。ポイントは中道さんに“クンクン”されることだ。一体、“クンクン”にはどんな効果があるのだろうか。