ギャンブル依存症家族の立場から、大阪IRへの懸念

資料によれば、日本国内にギャンブル依存症は約320万人いると考えられるそうです。数も急速に増えていて、スマホから投票できる競馬や競輪、ボートレース、違法なオンラインカジノにハマってしまう人が多いのが原因です。

とくにオンラインカジノは365日、24時間賭けられるので面白半分に始めて依存症になり、賭ける額が大きくなって多額の借金をしてしまうケースが多いということです。

また依存症の若年化も問題で18歳、20歳の若者が相談の対象になることも目立っているということです。冒頭で話したように大阪でカジノを含む統合型リゾートの計画が進められていますが、さきほどの宇都宮さんは、それに対して次のような懸念を語っています。

東京家族会の会員・宇都宮美貴さん
「IRを起点にギャンブルが浸透してしまって、対策が充分ではないのに、IRだけ進んでしまうことにはかなり危惧をしています。とくに大阪では連携できる病院が非常に少ないというか無い状態で、東京都だと病院とすぐ入院まで連携できるているんですけど、大阪ではすぐ入院できる病院もないし、ギャンブル依存症にする治療が重点的にできる病院が少ないということで、対策がおざなりになってるなと思っています」

家族の会では、「LOST(ロスト)」という「L」「O」「S」「T」の頭文字で示されるギャンブル依存症をセルフチェックする指標を公開しています。Lは「リミットレス」、賭ける予算や時間を制限できない。Oは「ワンス・アゲイン」勝った分を次の掛け金に使おうとする。Sは「シークレット」ギャンブルをしたことを秘密にする。Tは「テイク・マネー・バック」、負けた時にすぐ取り返そうとする。これらのうち、2つ以上に当てはまれば、依存症の可能性が高まっています。

「ギャンブル依存症問題を考える会ホームページより」

もしも当人や家族に兆候が見られた場合は、早めに家族の会や自助グループに相談してほしいとのことです。また家族の会が主催する勉強会も毎月開かれているので賭け事がやめられない、借金問題などで苦しんでいる家族の方や当人は、ぜひ、参加してほしいとのことでした。依存症対策のイベントや、関東各県で勉強会が開催されています。NPO法人全国ギャンブル依存症家族の会のホームページなどを参考にしてもらえればと思います。

(TBSラジオ「人権TODAY」担当:藤木TDC)