薬不足 “去年の実績に合わせてモノを作る体制”が裏目に出たか
ホラン千秋キャスター:
インフルエンザが流行するということは、定期的にやってくるものだと思うんですが、このように劇的にモノが足りないという状況になった背景には、時期が想定と違う、人数がそもそも多いなど、倉持先生、どういったことが関係しているんでしょうか。

インターパーク倉持呼吸器内科 倉持仁 院長:
クリニックでも、もう3か月や半年前から「薬が徐々に足りないな」というのはずっと感じていたんですが、最近はそれに拍車がかかって、常に20〜30種類の薬が入ってこないと。それも入ってこなくなる時期も長くなってます。
一方、現在、我々の医療機関でインフルエンザが増えては来てるんですが、コロナがほぼいなくなって、まだそんなに大変な時期ではないんですね。それにもかかわらず、普通に検査するキットがない、薬がないと。
これからインフルエンザも増えて、またコロナが増えてきたときに、果たして対応できるのかというところが非常に心配だと思います。
井上キャスター:
倉持さん、需要と供給のバランスなので、需要に合わせて供給を変えるというのはわかるんですけど、ある程度これだけ患者さんが増えてきている中で、どこがボトルネックになっているんでしょうか。国が要請するよりも製薬会社が作るべきなのか、それとも自治体なのか、どこに目詰まりが起きてるんでしょうか。

インターパーク倉持呼吸器内科 倉持仁 院長:
もともと、このジェネリックの問題というのは、価格がどんどん安くなって、そして原末を外国から買ってこないと作れないということで、世界的な問題にもなってる面もあるんです。
一方、日本では毎年、医療費を抑えるために、薬価がどんどん下げられているので、ジェネリックメーカーも苦しみながら作っている中で、いろいろな違反を起こしてしまってということがあります。
それから最近、去年の実績に合わせてモノを作るというのが日本のいろんな業種でもそういうものが見られると思うんですけど、例えば去年(2022年)とその前の年(2021年)は、インフルエンザがほとんど流行しなかったので、それに合わせて、モノ作りの体制がそんなに増えてない中で、いろんなものが足りないということに繋がっていることもあると思います。
つまり、日本自体の製造力に余裕がなくなってきているということは言えると思います。
井上キャスター:
そうなると、見積もりも甘かったということですね。
インターパーク倉持呼吸器内科 倉持仁 院長:
そうですね。なかなかそこまで、各メーカーさんには余力を持って作る、経済的な力というものもないのかもしれないですね。