備蓄米が放出されて一気に下がったコメの平均価格ですが、新米が出回るようになって徐々に価格が上がっています。その一方で、今、店頭で異例の事態が起きていました。

■コメの価格に“逆転現象” 販売店「10月から値上げ」

千葉県柏市にあるスーパー。

記者
「千葉県産の新米、5キロで4298円です」

そもそも去年より1000円ほど高く販売しているそうですが、新米は4400円から4600円ほど。そんななか、店頭で起きているのが“価格の逆転現象”。

記者
「去年収穫された新潟産こしひかりは5キロで4957円。そして、新米の千葉県産こしひかりは5キロで4426円と、新米のほうが安く売られています」

ほかのスーパーはどうなのか?横浜市内の店舗では…

記者
「令和6年産の茨城県産こしひかり、5キロで4687円とあります。一方で、令和7年産の新米、千葉県産あきたこまちは5キロで4622円。銘柄は違いますが、新米の方が安くなっています」

新米は4500円から4600円なのに対し、令和6年産は5000円を超えているものも。こうなると…


「もう間違いなく新米ですよね。圧倒的に魅力的です」

なぜ、新米の方が安いのでしょうか?

スーパーセルシオ和田町店 久保田浩二さん
「新米が出る直前まで古米の価格は本当にもう高止まりの状況だった」

そんななか、新米の取引が始まると、古米に比べて10数%ほど安く仕入れることができたそうです。ただ、この状況は…

スーパーセルシオ和田町店 久保田浩二さん
「10月の頭から実は価格の改定、値上げの連絡を問屋さんからはいただいております」

コメの流通に詳しい専門家からは、こんな指摘も。

流通経済研究所 折笠俊輔 主席研究員
「令和7年産の新米の価格は、よほど東北が豊作とかでもない限り、5キロで4000円を下回ることは今年は結構ないというか難しい。令和6年産のコメも高いという状況だと、消費者にとってみれば、安く買えるコメの選択肢が備蓄米も底を尽きたらなくなってしまうということが危惧されます」