兵庫県姫路市のスイミングスクールで女の子らが盗撮された事件で、「検証が不十分」だとして被害者の両親が調停を申し立てました。

 (盗撮被害を受けた娘の母親)「今回の調停によって今後の対策、二度と犯罪が起こらないよう、原因究明をしていけたらと思っています」

 大阪簡易裁判所に調停を申し立てたのは、兵庫県姫路市の「JSS姫路スイミングスクール」の幼児クラスに娘を通わせていた両親です。両親などによりますと、元インストラクターの吉井一磨受刑者(51)はおととし、この両親の娘を含む、当時このスクールの生徒だった女の子11人の水着をずらし下腹部を撮影した罪などで、懲役4年の実刑判決を受けました。

 吉井受刑者は捜査段階の供述や裁判で「十数年くらい前から働いていて、出勤した半分くらいは盗撮をしていた。防犯カメラで監視されることもなくバレるリスクも低いので、都合がよかった」などと述べました。

 事件の後、スクール側は対策本部を立ち上げて社内調査を行い、「男性スタッフが女児のトイレの介助はしない」など5つの新たなマニュアルを示したほか、「館内の見回りの強化」など6つの再発防止策を提示しました。

 しかし、両親が「対策本部の調査報告書」を開示するよう求めたところ、報告書が作成されていなかったことが分かったということです。

 両親は「報告書もない社内調査では事件が検証されたといえない」として「第三者による十分な検証」などを求めています。

 (盗撮被害を受けた娘の父親)「最近ニュースの中とかでも出てきますが、子どもたちと接する、塾であったりプールであったりそういった所で、こういった問題が多く出てきていると思います。社会にとって子どもたちは必要な財産だと思いますので、何か一石を投じることになるのではないかということで、声を上げたいと思いました」

 スクール側はMBSの取材に対し、「第三者委員会については被害者保護の観点から設置しなかった」としたうえで、「弁護士を通じて対応していく」などとコメントしています。