■家庭で魚を食べるときの注意点は?

『アニサキスによる食中毒予防方法(厚生労働省)』によると、
▼鮮度を徹底:新鮮な魚を選び、速やかに内臓を取り除く
▼目視で確認:目視で確認してアニサキス幼虫を除去
▼冷凍が有効:マイナス20℃で24時間以上。
※家庭用冷凍庫の場合は48時間以上冷凍
▼加熱が有効:70℃以上、または60℃なら1分加熱

恵俊彰:
焼いたら大丈夫なんですか?

嶋倉准教授:
基本的に死んでいれば、内臓に潜り込むことはありません。ただ(アニサキス)アレルギーとなるとまた別問題になります。

アニサキスアレルギーの場合は、血液検査などで調べる必要があるということです。

スーパーで購入した刺身盛りなどは目視で確認したり、さくで買った場合は薄切りにして、なるべく見やすいようにする。より安全に食べるには、なめろうのように細かく叩いたり、いかそうめんのように細く切るのも有効です。

恵俊彰:
一番の防ぎ方は何でしょうか?

嶋倉准教授:
アニサキスという存在自体をよく理解する。お刺身などを食べる前に「大丈夫かな?」と気をつけて見ていただくことが大事だと思います。

ジャーナリスト 大谷昭宏氏:
しっかり噛んだらいいというものでもないんですか?

嶋倉准教授:
噛んでも、歯の噛み合わせ次第ではうまく切ったり、すりつぶすということができないので、生きたまま飲み込んでしまうこともある。やはり冷凍や加熱が有効です。

■電気エネルギーで“退治”する画期的技術も

福岡市の水産加工会社ジャパンシーフーズと熊本大学の共同研究で、アニサキスを一気に退治できる技術が開発されています。この技術は、魚の切り身に非常に強い電気エネルギーを加えることで、生のままでアニサキスを一気に退治するというもの。魚の品質をほとんど損なわずに、生のまま食卓に届けることが容易になります。2021年秋から装置を使用した生の刺身などを試験的に販売しているとのことです。

ジャパンシーフーズ 井上陽一社長:
生食文化は日本が世界に誇る素晴らしい文化だと思っている。美味しさと安全の両立を実現していきたい。

(ひるおび 2022年6月28日放送より)