“検察側の請求”A医師の鑑定と見解

23日は、検察側の請求で「起訴前」に被告の精神鑑定を行った和田央医師が出廷した。2020年6月9日~12月11日の間、25回の面談と、被告人の母や兄妹、主治医、訪問看護師などに話を聞いて検討した鑑定結果を報告した。

〈鑑定主文〉「妄想性パーソナリティ障害」被告人が犯行の対象に京都アニメーションを選んだ点には、京アニに対する被害妄想が影響したが、それ以外には精神障害の影響は認められない。

 和田医師は、「病気や病状の重さが犯行に影響したかどうかは、被告人の性格と人となりから検討する必要がある」として、面談などを通し”パーソナリティ”を分析したという。そして20代後半までのエピソードとともに、被告の性格の「4つの特徴」を挙げた。

①極端な他責傾向(他人のせいにする)
・幼少期:父親から外に立たされるなどの虐待を受けた
・柔道の大会で準優勝した盾を父親に「燃やせ」と言われ、泣きながら燃やした
・転校した中学校に馴染めず、不登校になった
・成人後:コンビニでのアルバイト時代、同僚に陰口を言われ退職を余儀なくされた
・兄は被告について「何でも人のせいにするのは小さい頃から」「両親の離婚のせいでこうなったと思っている」と話した

 和田医師は「理由のない、自分ではどうにもならないエピソードが複数ある。被告人は『何で自分ばかり不遇なのか?』と考え、不本意な出来事が起こると、自身の努力不足ではなく、他人が悪いと考えるようになった」と補足説明した。