■中国が太平洋島嶼国(とうしょこく)を重視する狙いとは


ーー太平洋島嶼国(とうしょこく)が話題になりましたが?

増田氏:
中国の王毅国務委員兼外相が5月末から6月頭にかけて訪問されて、そこで包括的な協力協定を作る作らない、こういう議論が表に出てきたところで関心を集めたというとこはあるんですが、もう一つやはりですね、太平洋島嶼国、国の数が多いってことですね。14。この数っていうのはやっぱり国際社会、特に国連という場で、中国は重視しているというところがあります。例えば2021年、太平洋島嶼国を中国が重視したきっかけが、中国のウイグルの人権状況に対する決議案というものが国連総会で作られ、フランスがリードしたことですけれども、その中で中国も自らの決議案を用意して対抗していく、こういうプロセスに入ったんですね。そのときに中国が真っ先に動いた相手というのが島嶼国。ここと外相会談をやって「内政不干渉という原則」で何とかまとめていこうと、ここで対抗軸ができている。


そういった背景があって、さらにウクライナの問題があってという中で、島嶼国も含めて、特に米中の対抗、あるいは「新冷戦」と呼ばれるような状況。そういう場になるのではないかとこういう議論がやっぱり出てきたということですね。

「国会トークフロントライン」2022年6月24日放送より)