未払いはなぜ続く?観光庁からも具体的対応策の明言なし

喜入キャスター:
私達の取材では、少なくとも3か月、この未払いの問題は続いています。その中で、経営が厳しくなっているという施設があるのも事実です。そういった中で、18日、観光庁の会見に出席しましたが、具体的対応策の明言はありませんでした。もうどこに頼ったらいいんだろうというような状況なんですね。

そもそも、ブッキングドットコムはどういう説明をしているかといいますと、一連のトラブルについて、「予期せぬシステムエラーで送金できない事態が起こった」。これを繰り返してるんです。

小川彩佳キャスター:
この3か月の取材の間にもこの説明は変わってないわけですよね。

喜入キャスター:
そうです。では、この予期せぬシステムエラーとは何なのか。具体的に回答が返ってきた施設もあります。そこではこのような説明でした。「システムで日本語がうまく読み込めない」と。漢字、カタカナ、ひらがな。これがシステムでうまく読み込めないので時間がかかっていると。ただ、海外でも同様の未払い問題が起きていますので、日本語に限った問題ではないので、この説明も納得がいかない。

さらに、最近になって入金があった施設もあったんですが、本来は1か月分入るはずだったのが、2日分だけしか入金されていなかったということなので、ここにも不安感が募るということになっています。

説明を求めても、入金を求めても、暖簾に腕押しといった状況がもう3か月続いているということになる。

小川キャスター:
番組でもお伝えしていますが、そのたびにその翌日に事業者に振り込まれるというケースもあったりですとか。

トラウデンさん、このシステムエラーという説明ですが、これはどうですかね。

トラウデン直美さん:
システムエラーだとしても、もう少し早い説明や納得のいく説明があるはずですし、期間がこれだけ長いと、長くなればなるほど立ち行かなくなる事業者も出てきてしまう。そうなったときにどう責任を取るんだろうなっていうことはやっぱり正直、気になるところではありますね。一利用者としては、ちゃんと自分が払ったものがそのホテルにいってるのかどうかっていうのも気になるところではあるじゃないですか。だから本当にできる範囲でではありますけど、現地で払うっていうことを選択するしかないですよね。これだけ大きなプラットフォームだと使わざるを得ないときもあるような気はするので。

東京大学 斎藤幸平 准教授:
この傲慢な態度には2つ理由があると思うんですね。1個は今言った、使わざるを得ないっていう話で、ある程度のプラットフォームが規模になってくると、規模の経済っていうんですが、もう便利だから使わざるを得なくなってしまう。そこはもう彼らは開き直ってるわけですね。多少あっても使わざるを得ないだろうと。

もう1個は、やはりプラットフォーム企業っていうのは新しいものなので、今回、観光庁も何もできないっていうことからみられるように、法整備がまだ全然追いついていないので、特にこれで何か自分たちがされることないだろうというふうに高をくくってるところがあるんではないでしょうか。

小川キャスター:
少なくとも、どこも頼るところがないという状況に追い込まれてしまっている方々。これだけは何とか突破口を見つけたいところですね。