世界最大級の宿泊予約サイト「ブッキングドットコム」の代金未払い問題。18日、日本法人の代表が初めて宿泊施設のオーナーらに直接謝罪。納得できる説明はされたのか、私たちも代表を直撃しました。
未払い問題で初の直接謝罪も…「中身はなかった」
いま、多くのオーナーが説明を求めています。
喜入友浩キャスター
「竹村さん、支払い問題について教えてください。困っている施設がいるんです。竹村さん、いつ支払われるんでしょうか。公の場で説明されないんでしょうか」
都内の建物に現れたのは、世界最大級の宿泊予約サイト「ブッキングドットコム」日本法人の竹村章美代表取締役です。

10月18日、宿泊施設を経営するオーナーらとの話し合いの場が設けられました。
今回はオーナーらが呼びかけた形で、問題発覚後、面会するのは初めです。
ブッキングドットコムをめぐっては、宿泊施設への未払いが全国で相次いでいます。
箱根藍瑠 渡辺健 支配人
「入金の遅延が発生する可能性があるということで、銀行振込を予定通り行うことはできないという旨のメッセージが」

宿泊施設では、客がブッキングドットコムを通し、予約と支払いを行うシステムを利用しています。
しかし、少なくとも今年6月以降、「システムのメンテナンスの影響」として詳しい説明がないまま、ブッキング側から支払われる予定だった宿泊料金の支払いが遅れているのです。
箱根藍瑠 渡辺健 支配人
「今後、取引先への支払いや従業員の給与の渡し、どの程度対応できるか。少し体力勝負的な部分も出てきてしまうかなと思う」

18日の話し合いは1時間程度で終わりました。出席したオーナーや弁護士によると、ブッキングドットコム日本法人の代表からは謝罪があったそうです。
ただ、有意義な話し合いではなかったようです。
提訴を予定 松尾政彦さん
「本当に責任感を持たずに来たなと。(Q.中身はなかった)僕の中ではない。(Q.進展した内容は)進展…進展って何っていう感じ」

オーナーらは20日、ブッキング側を相手取り損害賠償を求める訴えを起こす予定です。
原告側 加藤博太郎 弁護士
「この状況が数か月続くとなると、どんどん日本で宿泊業者が倒産してもおかしくないという事態に発展しかねない。なので、速やかにお支払いいただきたいと、まず求めていきたい」

ブッキング側からの9月分の宿泊料金約600万円が予定していた日に振り込まれていないというオーナーは。
都内のホテルを経営
「9月分に関して返答がないので、ちょっとどうなっちゃってんだろうと。しっかりした原因と対策を記者会見などで発表していただきたい」
依然として、支払いの遅れについて原因や対策を公の場で説明していないブッキング側。
私たちは代表に直接聞きました。
記者
「宿泊施設に説明する予定はないんですか?宿泊施設の方、説明求めてますよ。困っている宿泊事業者の方いっぱいいるんですよ。答えなくていいんですか、公の場で」

この問題を所管する観光庁は10月、ブッキング側に説明を求めたといいます。
観光庁 髙橋一郎 長官
「同社(ブッキングドットコム)として、全ての取引相手への送金操作は済ませているが、国際送金の際、いろんな金融機関が 間に挟まりますので、その金融機関間の情報連携上のトラブルなど、技術的な問題を一つ一つクリアしているということなので、それを至急進めるようにと。(ブッキング側は)『そう取り組みます』と」
