日本勢は世界へ挑戦するステップに
男子の走高跳とやり投は日本にも世界陸上決勝進出者がいる。他の種目のレベルなら、日本勢も金メダル争いを期待できた。
特に男子走高跳には、2人の世界陸上入賞者がいる。昨年のオレゴンで8位、この種目日本人初の入賞を達成した真野友博(27、九電工)と、今年のブダペスト8位入賞の赤松諒一(28、アワーズ)が世界で戦っている。今大会では2m32~33を1回でクリアすれば、バルシムとウの間に割って入る可能性もある。
男子やり投には昨年の世界陸上オレゴン9位のディーン元気(31、ミズノ)が出場。今のアジアで勝つことは難しいが、チョプラやナディームの投てきから、何かヒントをつかんでほしい。
女子三段跳の森本麻里子(28、内田建設)には、今大会陸上競技女子初の金メダルの期待がかかる。今年6月の日本選手権で14m16(+0.7)の日本新をマークし、7月のアジア選手権も14m06(±0)で優勝した。
しかしアジアトップ選手たちの力は拮抗している。今大会には14m06~14m26の自己記録を持つ選手が、森本も含め4人出場する。特に14m26(+0.1)の自己記録を持つ曾 蕊(25、中国)が一番のライバルだ。アジア選手権では5cm差で森本が勝ったが、14mジャンプは森本の2試合に対し、曾は5試合ある(今季は2試合)。
真野&赤松とディーンは、世界のトップ選手に食い下がること、森本はアジアのライバルに競り勝つことが、今後世界で戦っていくために杭州でなすべきことだろう。
【陸上競技6日目(10月4日)午後決勝種目】
20時00分~ 男子走高跳
20時05分~ 男子やり投
20時10分~ 女子三段跳
20時25分~ 女子800m
20時40分~ 男子5000m
21時15分~ 女子4×400mリレー
21時35分~ 男子4×400mリレー
(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)