坂口哲郎さん:
「(日焼けすると)中が柔らかくなってしまう。食味も悪いし、お客様に提供するものにはならないですね」

さらに春先には遅霜の被害も受けていて、近年はリンゴを栽培しづらい気候が続いています。

このように「廃棄」になってしまうリンゴを活用しようと、複後施設の中で喫茶店を営む植田麻緒(うえだ・まお)さんは、店ができた3年ほど前から町内のリンゴを買い取ってケーキの材料として利用しています。


植田麻緒さん:
「今年どうですか? 見た感じ色も(良さそう)」
坂口哲郎さん:
「ただやっぱり雨が少なくて玉が小さくて出せないものとかただ(規格外で)出しちゃうんだったらこっち持ってきた方がいいかなと思って」
植田麻緒(うえだ・まお)さん:
「ありがとうございます頑張ってケーキにします」

運び込まれたリンゴは、鮮度を落とさないために、その日のうちに皮むきなどの作業を行います。

植田麻緒さん:
「これはタルトタタンを作ります。煮詰めたリンゴの(タルト)うちのお店の人気ナンバーワンの商品」
「タタンは皮もむいて芯もくり抜いて傷んでいるところも抜いて作れるので、飯綱町のリンゴは見た目が悪くてもおいしいので全然皮の色とかは気にせずに使っています」


植田さんは、傷が付くなどした規格外のリンゴを、農協の買い取り価格のおよそ8倍にあたる1キロあたり2千円から4千円で買い取っています。

今後、リンゴが作りづらい気候が続くことも懸念される中で、「できるだけ農家にとって稼ぎが出るように」と、植田さんはこの取り組みを開店当時から続けています。