■「またもみ消すか・・・?」「捨てますね~」元社員が語る“ずさんさ”


これらの検査所の検査業務はある会社が担っていた。
検査業務に関わっていたという元社員の男性。「プライベートクリニック六本木」はもちろん、医療機関との提携は無く、「検査体制はずさんだった」と証言した。


検査業務に関わっていた元社員
「いままでPCRに関して何の知識もない素人がこの仕事をすることはできるのかと、それに関しては当時思っていました」

検査を担当していた社員たちの間のやりとりを入手した。


「25(日)の検体だからもう古いし、今更でてきたのにびっくりですわ~」
「また揉み消すか・・・?」
「検体も古いんでどうしようもありません。捨てますね~」
「どんどん悪徳業者になっていくww」


かなりずさんな処理が行われていたことがうかがえる。

「もしなんか連絡あったら、前と同じく『再検査になってしまい・・・』と伝える方向で行くしかないな。何も言われなければ放置しよう・・・」


なぜ、こんなことになったのか。社員のやり取りには、検査所が増えたことで検査体制が追いついていない様子が見て取れる。

「準備をする人手がいまでさえ足りていないのにこれ以上(検査所を)増やしてどうするおつもりですか?」
「人手の足りないこの状況で続けたら倒れるしミスもたくさん出る気がします!」


男性によると、取り仕切っていたのはX氏という会社の経営者を名乗る男性だという。

検査業務に関わっていた元社員
「検査所で使う検査キット、机、椅子などといった備品の購入もまず、X氏に指示を他の社員が仰いでいました。X氏は最初から、『PCRの補助金が目当て』と言っていました」


国から検査所に支払われる、1件の検査につき1万1500円の補助金。
それが目当てだと話していたというX氏。X氏が関わった無料PCR検査所は実際に稼働していたが、各自治体に内部通報があったため、補助金は支払われていない。そして・・・

神奈川県の担当者
「県民の皆様に大きな不安を与えたことに対して、我々として深く反省をしている。改めてお詫びを申し上げます」

5月、神奈川県は問題のPCR検査所の登録を取り消したと発表した。