虐待や遺棄を防ぐための取り組み


環境省によると、年々減少していますが、2020年全国で殺処分された犬と猫は、合わせておよそ24,000匹。さらにゼロに近づける努力が必要ですが、一方で装着に対しては不安の声もあります。


ペットショップのプリティーワンの赤杉龍一社長は、
(赤杉社長)
「背中に装着したつもりなのに足もしくは腹部にあったとか、結果的に破損していた話をブリーダーさんから聞いたことがありまして」

さらに、マイクロチップは飼い主を特定することができるため虐待や遺棄が抑止される効果が期待されている反面、虐待する人の心理に“飼いにくい犬に育ってしまったから”という一面があることも無視できません。


この原因を追究・是正しないと問題が解決しないため、赤杉さんは子犬の社会化をはぐくむ飼育スペースを店内に設置。複数の子犬を同じスペースで一緒に育てることで我儘な行動をとらなくなり、購入した飼い主が育てやすい状態にしつけられます。

万が一飼えなくなってしまった場合でも、しつけられていれば容易に里親や飼い主を見つけることができる効果もあると考えていました。

マイクロチップで飼い主に返せた実例


また、今回のマイクロチップ義務化に期待を寄せているのが名古屋市動物愛護センターです。

(名古屋市動物愛護センター・新美陽子さん)
「(マイクロチップの装着率は)犬は約2割、猫に関してはほとんど入っていない」


2020年に、こちらで迷子になって保護した犬88頭のうち、マイクロチップを装着していた犬は18頭。そのうち、飼い主のもとへ返すことができたのは15頭でした。マイクロチップの一定の効果はみられると言います。

今月から始まったマイクロチップの義務化は、家族の一員であるペットの安全・命をどう守るのかを考えた際、その手助けをしてくれるものになるのかもしれません。

CBCテレビ「チャント!」6月7日の放送より。