橋田さん「(ジュリー社長の)辞任ですべてを清算というかたちではなく…」

小川彩佳キャスター:
再発防止特別チームによる会見のポイントを、改めて整理してまいります。

山本恵里伽キャスター:
今回、特別チームは被害者23人、事務所関係者18人の、合わせて41人からヒアリングを行いました。

その結果、ジャニー喜多川氏は1950年代から性加害を行っていて、1970年代前半から2010年代半ばにかけて、多数のジャニーズJr.に対して長期間にわたり性加害を繰り返していたという事実が認められたとしています。

また、少なく見積もっても、数百人の被害者がいるという複数の証言が得られたとしています。

小川キャスター:
橋田さんはこれまで、ジャニー氏による性加害について「事務所として事実をあやふやにせず、きちんと認めたうえで再発防止、再出発してほしい」と繰り返し訴えてこられましたよね。そうしたなかで今回、この事実認定に至ったことをどのように受け止めていらっしゃいますか?

元ジャニーズJr. 橋田康さん(37)
まずは本当に安堵というか、ほっとしたところではあります。

なぜなら僕が告白した当初からずっと、「嘘を言っている」という誹謗中傷や否定的な言葉が、絶えず会社のメールやいろんなSNSから届いていました。

これ(性加害問題)は事実としてあったものですが、僕が伝えたかったことは、その先の「こう変わっていくべき」「こう見直していくべき」ということだったので、それがやっとこれからまっすぐ伝わるんじゃないかなと。やっとスタートラインに立てたのかなと思います。

小川キャスター:
3月にBBCが報道して、そして橋田さんが告発の会見をされたのは5月ですよね。それからの間、ずっと矢面に立ち続けてこられたわけですけれども、やはりいろんな葛藤があったわけですか?

橋田さん:
「声をあげたことによって何もできなくなってしまう」「人生終わっちゃった」みたいなネガティブな部分というのが、少しでも僕が活動して矢面に立って、顔を出して喋ることで払拭できれば…。

もちろんこのジャニーズ問題だけではなく、いろんなシーンで性被害を経験された方たちのためにも勇気になったらいいなとは本当に思っていましたので、そういう部分が大きかったですね。

山本キャスター:
そうしたなか、今回の会見では社長であるジュリー氏に対しても言及がありました。

ジュリー社長は5月、性加害の事実認定を避けたうえで「知りませんでした」と主張をしていました。しかし特別チームは「性加害の疑惑を認識していたと認められるが、調査などの積極的な対応をとらなかった」などと指摘しています。

そして「ジャニーズ事務所が解体的な出直しをするため、社長は辞任すべき」という強い言葉で提言をしました。

小川キャスター:
かなり踏み込んだ提言とも言えますけれども、橋田さんはジュリー社長と直接会って話をされていますよね。そのときはどういったやり取りがあったんですか?

橋田さん:
「(性加害問題について)知らなかった。ただ、知ろうとしなかった、噂程度の話は知っていたけれどもそれ以上知ろうとしなかった自分には罪が大きくある。なので本当にごめんなさい」というところは、すごく言っていただいていました。

「それをそのまま、僕に謝罪をしてくださったタイミングで公に言ってくだされば納得してくれる方も多いと思います」とは伝えたんですけれども、それが叶わず今日まで至ってしまったので、こういうかたちになってしまったのかなと思います。

小川キャスター:
橋田さんには、そうした言葉があったわけですね。今回の調査報告書に盛り込まれている、辞任をするべきという提言についてはどのように受け止めますか?

橋田さん:
今回の件で、ジュリーさんもですけれども、僕も含め、もっとたくさんの人が苦しんだと思うんです。ただ、辞任して「辞めたからもういいでしょ」という問題ではないと思うんですね。

会社としてきっちり謝罪をしたのち、会社がしっかり再出発といいますか、「こういうことがあったからこそ、これから良くなっていきます」となっていくためには、辞任ですべてを清算というかたちではなく、しっかりとジュリーさんも、できることをやってくださったら嬉しいなと思っています。

「辞める」がすぐに来るというよりも、まずはいろいろ謝罪も含めて、ジュリーさんだからこそできることがたくさんあると思っていますので。