「マスメディアの沈黙」も事務所の隠ぺい体質を強化したか

小川キャスター:
そして今回の報告書では、ジャニー氏による性加害の背景が項目として挙げられているんですけれども、その一つに「マスメディアの沈黙」という項目が立てられています。メディアから批判を受けない結果、事務所の隠ぺい体質も強化されてしまったと。
私たちメディアも批判されているということを、しっかりと受け止める必要が改めてあると感じているんですけれども、橋田さんは当事者として、メディアに対して思うことはありますか?

橋田さん:
「メディアの方がもっともっと前からこういうふうに取り上げてくださっていたら」とか、“たられば”ではないですけれども、そういうことはたくさんあると思います。
僕自身も思うところはありますし、それこそ本当にメディアで真剣にやっていらっしゃる方は、いっぱいそういう気持ちを持っていらっしゃると思うんです。
忖度が働いたなどといわれていますけれども、たとえば「ジャニーズ事務所にもらった恩を仇で返すわけにはいかないから、こういう報道ができない」というのは、ちょっと違うじゃないですか。
恩は恩として大事にする、しっかり恩を返していきたいという日本人の心は大好きです。なので、それとこれとは別、いけないことはいけないこととして、ちゃんとメディアはそこに向かい合っていく。恩は恩でしっかり、というかたちになっていってほしいなと思います。
メディアの方たちには、こういうことを糧に、もう二度と繰り返さないように変化・進化していってくださればなと思います。先の未来を見てほしいな、って。
小川キャスター:
メディア側も、こうした調査報告書を一つの節目にしなければならないというふうに感じます。

そして調査報告書の終わりには、こんな一文が記載されています。「エンタメ業界に性加害などの人権侵害が生じやすい構造が存在しているのであれば、ジャニーズ事務所が率先して業界全体を変えていく姿勢で臨んでほしい」と。橋田さん、この言葉はどう受け止めますか?
橋田さん:
これもヒアリング、あと再発防止チームのヒアリングのときに僕も言わせていただいた気持ちの大きな一つではあるので、まったくその通りだと思います。
ジャニーズ事務所がしっかりこの状況、この問題をしっかり背負って、しっかりあがいて頑張ってくださる姿というのが、きっとたくさんの芸能プロダクションも含め、いろんなシーンの人に響くと思います。
前向きに頑張ってくだされば、きっとそれが派生して、いろんなところに影響が出て、良い結果をもたらすんじゃないかなと期待しています。
小川キャスター:
今回の調査報告を、ジャニーズ事務所側がどう受け止めるかということになります。














