性加害は同族経営の弊害か…「ジュリー社長は辞任すべき」との提言

最も多くのNo.1シングルをプロデュースした人物など、3つのギネス記録に認定されているジャニー氏。

ヒアリングから浮かび上がったのは、タレントの生殺与奪の権を握る“絶対的な存在”としてのジャニー氏です。

(被害者へのヒアリング結果より)
「性加害を受けた後、仕事は明らかに増えた。ジャニー氏の性加害を拒むと、ジャニー氏に嫌われて無視されるようになった」

「『上り詰めていくには積極的にジャニー氏を受け入れないといけないんだ』という、洗脳された状態になった」

特別チームは、強者・弱者の関係性のもとで「拒めば不利になる」という子どもたちの心理につけ込んだ性加害であったことが、被害の潜在化と拡大を招いたと指摘しています。

ヒアリングは、ジャニーズ事務所関係者に対しても行われました。ジュリー社長や副社長ら役員、チーフマネージャーなど18人。なかには現役タレントもいたといいます。

特別チームは“性加害の背景”を、ジャニーズ事務所の企業風土にあると指摘しました。

再発防止特別チーム 飛鳥井望氏
「ジャニーズ事務所は典型的な同族経営の会社であり、創業者たる経営者による違法行為等が行われた場合には誰もそれを止めることができないという、同族経営の弊害が顕在化した状況であったことが背景事情にあると考えております」

大きな要因として挙げられたのはジャニー氏の姉・メリー氏と、姪・ジュリー社長の責任です。

再発防止特別チーム 飛鳥井望氏
「メリー氏は、ジャニー氏の性嗜好異常による少年たちへの性加害が続いていることを知りながらも、ジャニー氏の行動をとめるのを断念し、結果として放置するかたちになり、外部に対しては、ジャニー氏を守りきるために徹底的な隠ぺいを図ってきたものと考えられ、このようなメリー氏の行為が被害の拡大を招いたと考えております」

また、性加害について「知らなかった」と主張していたジュリー氏に対しても…

再発防止特別チーム 林眞琴座長
「ジュリー氏は、取締役就任時にはジャニー氏の性加害の疑惑を認識していたと認められます。

ジュリー氏が経営のトップのままでは今後、社員・役職員の意識を根底から変えて、ジャニーズ事務所が再出発することは極めて困難。

ジュリー氏の代表取締役社長の辞任を求めると共に、それによりまして、同族経営による弊害というものも防止しうることになると考えております」