空き家所有者『簡単には壊せない』『修理も1000万円超かかる』

 それでも、なぜ空き家は放置されるのでしょうか。ある空き家の所有者に話を聞きました。

 (空き家の所有者)
 「(Q空き家を壊したりとか考えない?)法律によって壊されへんからね。更地にもできへんから。更地にしたら駐車場にもできるし、潰させてくれへんからね」
 「町並み保存地区」に指定されたがゆえの苦悩がありました。今井町には伝統的な建造物(特定物件)が501軒あり、その建て替えや解体は原則認められません。改修する際も既存の木材などを使って本来の姿に近づけることが求められます。補助金は改修費の4分の1ほど出るといいますが、改修には踏みきれません。

 (空き家の所有者)
 「修理もしたいけど1000万円超すくらいやからね。お金かかるし、言われた通りしないといけないから」
 では、どうしたらいいのでしょうか。自治会や地元のNPO法人は「外から移住してもらい町の維持に関わってほしい」と考えています

 (今井町自治会 米川憲久会長)
 「(今井町の)一番の特徴は、ここに住みながら保存をしてきたという事ですから。やはり、住んでいただいてこの景観を守りたいなと。特に保存地区内では高齢化が進んでいまして、空き家がどんどん増えてくると。危険家屋に近いような建物が多いので、本当に危険な状態になるまでに手を入れたい」