プロセスを意識する“スモールステップ学習法”とは?

子どもの意欲を高める。そのためには、子どもに具体的なプロセスを提示することが大切だと出口さんは解説する。その名も、スモールステップ学習だ。はじめから大きな目標に向かわせるのではなく、目標までのプロセスを段階で示して、一つ一つクリアしてステップアップしていき、最終的に大きな目標に到達させる方法だ。

例えば「作文を書く」という大きな目標があったとしよう。その際に、ただ「作文書きなさい」と声かけするのではなく、以下のように作文を書くまでの段階を分解して、小さなステップを提示していくのだという。

大きな目標『作文を書く』のためのステップ
①原稿用紙の使い方を理解しよう
②いつ、どこで、なにをした、をメモしてみよう
③メモを元に思ったことを書き出してみよう
④原稿用紙に書いてみよう

ーースモールステップ学習だと、なぜ子どもがやる気を出すのでしょうか?

「やるべきことが具体的で、細かく達成感が得られるからです。

上の例で言えば、最初から「作文を書く」ということを目指して、子どもに声かけしても、漠然としていて、子どもにとっては具体的になにをしたらいいのかわからないことがあります。

しかし、スモールステップ学習にすると、原稿用紙って何?いつどこで何したっけ?など、自分のすることが具体的になります。時間はかかるのですが、この方が確実に子どもが階段を登れるんですね。登れると何がいいかというと、自分でできたっていう達成感が強くなります。

この積み重ねは、子どもの自信につながります。最初は親が段階を示してあげる必要があります。しかし、徐々に子どもたちは、階段を自分で作って、自己解決ができるようになってきます」

ーー子どもにこうなってほしい、という気持ちが強いと、感情的に焦ってしまうのですが、そのために何が必要か、親はもっと論理的になって、声かけをしないといけないんですね。

「親はどうしても結果を早く出したいから、急いじゃうんですよね。でも、結果を出す手前のプロセスを可視化し、褒めてあげると、子どもが伸びていくんです。

プロセスをちゃんと褒めていれば、『頑張って』という未来に向けての言葉の受け止めも変わります。『頑張って』は子どもを応援するいい言葉として響くはずです」