村上範明 さん
「ようけ、なっとるでしょ」

村上さんから新たな依頼がありました。青い実を間引く摘果です。おいしいミカンを作るために欠かせませんが、農援隊のメンバーにとっては自分たちの畑の摘果と時期が重なります。松井さんは持ち帰って検討することにしました。

メンバーは4人…。それぞれ自分の農園の仕事がありますが、この日は、2人が松井さんの畑の草刈りを手伝いました。
全員が新規就農者。松井さんはミカン好きが高じて6年前、島外から移住してきました。農援隊は新規就農者の交流の場でもあります。

高田充 さん(40) 島内出身
「何でもいいから、こういう交流の場が持てて、お年寄りの方というか、そういう方に喜んでもらえるっていうのはうれしいなと思います」

山中陽子 さん(30) 大竹市出身
「気軽に頼める仲間が近くにいるっていうのはすごく、わたしにとってもプラスだなと思います」
やはり摘果を請け負うのは無理でした。ただ、別の依頼を受けることになりました。イノシシの侵入を防ぐ防護柵の修復です。

松井則和 代表
「たぶん上に持ち上げたんです。まっすぐズボッと鉄筋ごと」
イノシシは、柵を壊して畑に侵入…。ミカンを食べるほか、木の根を掘ります。農家の高齢化で柵を直す人も減っています。
松井さんは、こんなアイデアも持っていました。

大崎上島かんきつ農援隊 松井則和 代表
「例えば、この畑を誰か若い人に譲りたいとかいうことでも、ぼくらのところに相談してくれば、ちゃんと然るべき若い子たちを紹介しますっていうふうなことも考えているので」
島の人から頼りにされる存在になりたいという松井さん。高齢化が進む島の救世主となれるでしょうか。