注意!子どもの自己肯定感を下げる“司令官的な言葉”

ーーこれまで心理分析を行ってきて、日本の子どもの自己肯定感の低さはなにに起因していると感じていますか?
「親が子どもにかける言葉が、子どもの自己肯定感を破壊してしまっていることがあると感じています。
たとえば『何度言ったらわかるの』という言葉を言ってしまう人はいると思います。この言葉を使う時、親がこうあるべきだと感じていることを押し付けるケースが非常に多いです。
でも、子どもにとってみれば、それが本当にいいのかなんてわからないわけです。『どうしてそんなこと言われなきゃいけないのかな』と考えているのに、何度言ったらわかるのよって言われてしまう。そうなると、自分が認められてる、とか、理解されてるという感覚は持てないですよね。
自己肯定感は、自分らしく生きてていいんだな、自分はこうやって行動していいんだなって思えることがすごく大事なんです。親が絶対的な司令官で、その司令官のいうことに絶対服従しなくてはいけないという価値観では高めることはできません。『何度言ったらわかるの』だけでなく、親の考えを押し付けるような声かけは注意が必要です」

ーー世界と比べて、日本の子どもの自己肯定感が低いのには、なにか日本特有の理由もあるのでしょうか?
「日本の謙遜の文化が影響しているとも思っています。
日本では自分の子どものことを他人の前で積極的に褒めないですよね。基本的には『いえいえ、うちの子なんか全然ダメで…』と言うことのほうが多いと思います。それが美徳であり、日本の文化としてはいいのだと思います。
ただ、そういう親の言葉を聞いている子どもは、案外真に受けているものなんです。自分は駄目なのか、とか、あんまり頭が良くないのかって。
ですので、親が第三者に子どものことを褒めないことは日本の文化として仕方がないけれども、その後にフォローすることをしてほしいです。一言でいいので、子どもには、そんなことないよ、本当はこういうふうに思っているんだよって。これをしないでいる親がとても多くて、子どもの自己肯定感に影響を与えていると思います」