◆差別者Mからの接触


被差別部落のリストを公開した「出版社」は、川口さんの記事の拡散状況をチェックしていたようです。私がシェアしたことに気づいた彼らは、まずメッセージで私に接触してきました。

2017年9月12日 10:40

・こんにちは。はじめまして、示現舎の●●と申します。弊社の活動にご関心があるということですね。ぜひ伺いたいと思います。090-●●●●-●●●● こちらは私の携帯です。ご一報頂いたらこちらからご連絡を差し上げます。ご負担はおかけしません。

・ウォールでの記述やコメントは記事で引用させて頂くこともありますので、こちらもご承知ください

 ・このメッセージも電話番号も公開して頂いても構いませんので

最初の接触はメッセンジャーだった

公開してかまわない、と相手は言っていますが、差別意識に満ちた人間の宣伝をしても仕方ありませんので、ここでは黒塗りにします。

メッセージは丁寧な言葉遣いですが、「ウォールでの記述やコメントは記事で引用させて頂くこともあります」という勝手な宣告は、脅迫めいているようにも感じました。気持ちの悪さ、薄気味悪さを感じ、返事することもなく数時間放置していました。すると、投稿のコメント欄に書き込みが始まったのです。

◆「部落地名総鑑」とは

投稿へのコメントは、誰でも見ることができます。示現舎の2人とも実名で、イニシャルは同じM。ここでは、最初にメッセージを送ってきた方を「M1号」、もう一人を「M2号」とします。

M2号:800人位の解放同盟員名簿を流出させたのは、部落解放同盟●●県連合会なのですが...何も責任取ってないですよね。(22:04)

神戸の知人:だから何?

M2号:それが「だから何?」で済むんだから、部落地名総鑑も「だから何?」で済ませたらよいではないですか。

コメント欄への書き込みが始まった

「部落地名総鑑」という本の題名が出てきました。川口泰司さんの投稿から、説明を引きます。

「部落地名総鑑」とは、全国の被差別部落の一覧リストで部落の地名や所在地、職業や苗字等が記載れていた差別図書です。

1975年に発覚し、現在までに10種類が確認されています。当時、企業や興信所などが、部落出身者に対する就職差別や結婚差別の身元調査に利用していました。

大手企業や個人を含め数百社が購入しており、現在までに法務省が差別図書として663冊を回収してきました。

この「部落地名総鑑」の原点となった本が、『全国部落調査』といわれています。1936年に政府の外郭団体が全国の部落の実態調査を実施した報告書です。戦後になり、この本が悪用され「部落地名総鑑」が作成・販売されていました。

(「SYNODOS 専門家の見解が読める教養ポータル」、2017年9月11日掲載)

上場企業の人事採用部門でも「部落地名総鑑」を利用していたことが1975年に発覚し、大きな社会問題となったのです。こうした行為は厳しく断罪されました。今の時代にこのような「就職差別」をしたら、その企業は社会的に耐えきれないと思います。