■操作レバーから遺留物まで・・今後の究明のポイントは?
ホランキャスター:
水抜き作業などを含めて、今後、原因究明に向けてどのような作業が行われるのか、という部分を見ていきましょう。
現在、ブルーシートで覆われている状況です。ここから数日かけて水抜きを行うということです。2日ほどという話もありますが、もう少し短い間に終わるということもあるのかもしれません。水抜きが終わりますと、その後、陸揚げということになります。
そして、事故の原因を究明していくのですが、海上保安庁などが船体を落下する前の写真と比べて、状態を確認するということです。

確認の中でポイントとなる部分があり、まずは▼船体の状態です。船底の傷や穴、現在3つの穴があることが確認されていますが、「いつ生じたのか」というところを分析していきます。さらに、▼エンジンの故障の有無も見ていきます。
続いて▼操作レバーです。前に進む向きにレバーが入っているのか、何かにぶつかって、後ろに戻ろうとしている後進方向にレバーがあるのか。操作レバーの向きで、当時の船の置かれた状況がわかるということです。

他にも▼遺留物があります。潜水士の方が船の内部を探してはいるのですが、見つからなかったものがあることがあります。例えば時計から沈没した時刻がわかることがあります。携帯電話が見つかると、写真や動画から当時の状況がわかったり、位置情報から航行ルートがわかったりするということです。
井上キャスター:
このニュースのどんなところに着目していますか?
今村翔吾さん:
初めて、「遺留物」という話も出てきましたけれども、これは原因究明のためにも、ご家族もいろんな意味で見つけてほしいものだと思うのですが。
窓は割れているので、沈んでから海流の流れによって散逸しないものなのでしょうか?
遠山さん:
破片は船内にあるのか、船外にあるのかで割れ方が異なってきますね。外からの波を喰らって割れたのであれば、船内に破片があるはずなのですが、今回、それがないということです。従って、沈没の原因になるような大きな波を上方から受けてないことが推察されます。
井上キャスター:
例えば、飛行機であればフライトレコーダーなどが搭載されてると思いますが、船には特にそういう設備はないのでしょうか?
遠山さん:
この船にはなかったと聞いてますし、航跡がわかるようなビデオプロッタ、いわゆるカーナビですね。これも搭載されてなかったと聞いてますので、どういうルートで航海したかっていうのがわからない。捜査上、非常に困難な理由になっていると思います。
井上キャスター:
状況証拠を積み重ねるしかないのですか?
遠山さん:
そうですね。従って、それを補強するために、スマホであるとか残された記録が重要になってくると思っています。