4月23日で、観光船KAZUⅠの沈没事故から1年になります。そこで、シリーズで様々な角度から「知床事故をめぐる今」をお伝えします。第1回は「乗客家族の今」です。

第2回 知床遊覧船、桂田精一社長の今 沈没事故から1年 追悼式典は「呼ばれてないから行けない」

第3回 3日前の検査で合格なのになぜ?コピペの改善報告書を指南「国の当事者意識と責任感」


 千葉県松戸市。先週、「事故から1年」の思いを語る乗客家族がいました。

橳島優さんの父親(65)
「時が止まったままのような感じ」

 長男の橳島優(ぬでしま・ゆう 当時34)さん。あの日、週末の休みを利用して、念願の知床観光へ。そして「KAZUⅠ」に乗り、事故に巻き込まれました。

橳島優さんの父親(65)
「風呂に入って天井を見ていると、息子がどれだけ冷たい中で死んでいったのか(と思う)、自分はこんなに温かくていい気持ちになってごめんなって、風呂に入ると毎日涙が出てくる」

 事故当日の海面水温は4度、生存可能な時間は最短30分の厳しい環境でした。