日焼け止めは“肌の上で劣化する”?

塗り方と量はこれで解決したとして、続いての疑問は「塗り直しの頻度」について。少しものぐさな筆者は、汗で日焼け止めが落ちて、塗り直すのが面倒くさいので、よく「汗・皮脂に強い!」などと書かれているウォータープルーフのものを購入していますが、塗りなおしは必要なんでしょうか。

慶田朋子 院長
「汗をかく、かかないに係わらず、日に当たり続けるなら2~3時間に一回は塗り直してください」

ーー汗をかいていないのに、こまめな塗り直しが必要なんですか?

慶田朋子 院長
「既存の効果が落ちる原因は皮脂や、衣服や手による擦れ、汗によるものもありますが、それだけではなく、紫外線が当たることでも塗っている日焼け止めが劣化します」

ーー日焼け止めが肌の上で劣化?! 一体どういうことでしょうか?

慶田朋子 院長
「多くの日焼け止めには「紫外線吸収剤」が含まれており、これが紫外線を吸収し皮膚へ紫外線が届くのを防いでいます。なので汗や皮脂などで日焼け止めが落ちていなかったとしても、紫外線を浴びるだけで「紫外線吸収剤」は劣化していって日焼け止めの効果が時間とともに落ちていっているのです。」

去年の日焼け止めクリーム まだ残ってるんだけど…使ってもいい?

日焼け止めが紫外線を吸収することで劣化していくとは驚きです。ということは、去年買ったけど使いきれなかった日焼け止めも保存している間に劣化してしまっているのでしょうか。蓋もちゃんとしていたし大丈夫かな、なんて思っているのですが、使って問題ないでしょうか?

慶田朋子 院長
「去年に開封したものは、廃棄していただいた方がいいです」

ーー見た目はあまり変わりませんし、なんとなくもったいない気もするのですが…

慶田朋子 院長
「日焼け止めは開けない状態で、保存期限が3年ですが、紫外線吸収剤などは、オイリーなもので油分が分離したりしますので、去年開封したものは廃棄していただいた方が良いと思います」

日焼け止めは、他の化粧品と同じように開封したら早めに使い切るのがベター。中身が分離するなどして変質することで本来の効果が発揮できなかったり、肌トラブルが起きる要因にもつながるそう。

塗り方や量など正しい使い方で、日焼け止めの効果が十分に発揮されるかどうかが変わるようです。日焼け止めを正しく使用しながら強い日差しを乗り切りましょう。

※1:Jeanmougin, M., Bouloc, A. and Schmutz, J.-L. (2014), A new sunscreen application technique. Photodermatol. Photoimmunol. Photomed.
※2:ISO(国際標準化機構)に定められている基準による