“フランスへの一部搬出は県外搬出”これで約束達成…?

そうした中、6月12日、関西電力の森望社長は福井県庁を訪れ、杉本達治知事と面談。大手電力会社やフランスのオラノ社と共同で行う核燃料サイクルの実証研究に伴い、高浜原発で保管している使用済み核燃料の約200トンを、2020年代後半にフランスに搬出すると明らかにしました。確かにフランスは“福井県外”です。森社長は「フランスへの搬出は中間貯蔵と同レベルの意義があり、県との約束はひとまず果たした」と主張しています。
しかし実情を見れば、約束達成と胸を張るのは、かなり無理があります。今回、フランスへの搬出が決まった使用済み核燃料は、現在3つの原発で保管されている燃料のわずか6%にすぎません。2020年代後半の搬出後もコンスタントにフランスに追加搬出することが決まっているわけでもないのです。問題を“棚上げ”“先送り”したとも言えます。
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関電は「福井県との約束に搬出の“量”は含まれていない」とする姿勢ですが、県側が求めていたのは、あくまで“恒久的に使用済み核燃料を移管できる場所の確保”だったはずです。さすがに予想外の一手だったのか、福井県の杉本知事も「十分精査した上で、県議会や立地自治体の意見も聴き、県として総合的に判断していきたい」と、態度をいったん保留しています。














