先送りが続いていた「中間貯蔵施設」の候補地提示

 こうした状況に地元の福井県はかねてから懸念を示し、使用済み核燃料の県外搬出を求め続けてきました。関電も、使用済み核燃料をいわば“仮置き”する「中間貯蔵施設」を福井県外に設けることを約束。しかし、放射性物質を含む使用済み核燃料を引き受けたいと手を挙げる自治体はやはり存在せず、関電は候補地の提示を先送りし続けてきました。

 一時、東京電力と日本原子力発電が共同出資して青森県むつ市に整備している中間貯蔵施設に、関電の使用済み核燃料を搬出するプランも浮上しましたが、むつ市の猛反発を受け頓挫。候補地選定は難航を極めます。
2023年末までに候補地提示を約束した森本前社長 2021年2月.jpg
 福井県の我慢も限界に近づく中、関電は2021年2月、「2023年末までに候補地を提示できなければ、(40年超原発の)美浜3号機や高浜1号機・2号機は運転させない」と、悲壮な決意を示しました。今年の年末が最終期限だったわけです。