専門家「空振りも多いのではないか」政府関係者「素振りだと思ってほしい」
「臨時情報」の“やっかいさ”は、その仕組みだけではありません。先にも書きましたように、この情報は、同じような「前提条件」が発生すれば、南海トラフ地震が起きるまで何度でも出ることになります。専門家は「野球でいう空振り(=巨大地震が起きないケース)の結果に終わることも多いのではないか」と予想しています。
南海トラフ地震の防災対策に詳しい名古屋大学の福和伸夫名誉教授は「半割れのケースで、過去の事例をみると、7日以内に次のM8クラス以上の地震発生するのは、十数回に一回程度で、当然、空振りはある。空振りが前提で、その情報を活用することで、被害を減らせるという理解が必要」と話します。
一方、政府の関係者は、「空振り」を承知の上でこう話します。「『空振り』ととらえるのではなく『素振り』ととらえて、対応してほしい」。つまり「予行演習を繰り返すつもりでやってほしい」と・・・。