国民に広く知られていない「臨時情報」
「臨時情報」は、次の南海トラフ地震に向けて、南海トラフ全域を対象に地震発生の可能性の高まりについて、気象庁が発表する情報のこと。この情報は、2019年すでに本格運用がはじまっていて、今日・明日に発表されてもおかしくない重要な防災情報です。ひとたび南海トラフ地震が起きれば、最悪の場合、死者は32万人に達し、被害総額は日本の国家予算の約2倍、220兆円を超えると予想されているにも関わらず、その被害を大きく軽減することができる「臨時情報」については、なぜ、知られていないのでしょうか。
一因には、国をはじめ担当の省庁、自治体の広報活動と、メディアの報道活動が足りないことがあるとされます。しかし私は、臨時情報の仕組みそのものが「あまりに複雑で、国民が知ろうとする気すら起きない」ことも、要因のひとつではないかと考えています。