新潟県の“ものづくりの街・三条市”にも、商品PRのためにチャットGPTを活用している企業がありました。

金属の黒染め加工を得意とする「テーエム」です。
アルカリ性の特殊な液体の中に金属を沈め、化学反応を起こして金属を黒く染めていくそうです。


この日は、テーエム社長の渡辺竜海さん(44歳)が、商品のデザイン関連でも協力してもらっているグラフィックデザイナーの西村隆行さんと、打ち合わせをしているところでした。
黒染め技術を用いたオリジナル商品の魅力をより多くの人に伝えるために、チャットGPTを活用したパンフレットのリニューアルを検討しているそうです。
新しいコンセプトは『温もり』。
これまでの白と黒を基調としたものから、温かみのあるデザインに変更する予定だということですが、どこにチャットGPTを活用しているかというと…

グラフィックデザイナー 西村隆行さん

【グラフィックデザイナー 西村隆行さん】
「ストーリー部分ですね。雰囲気を伝える文章を、チャットGPTさんに相談させていただいて…」

文章のブラッシュアップで、チャットGPTを“活用”していました。

【グラフィックデザイナー 西村隆行さん】
「『明日も頑張ろうと思える』というワードが『明日への希望が湧いてくる』と変換されていたり…。こっちが考えていなかったワードで添削してもらっているので、非常に便利ですよね」

渡辺社長は当初、チャットGPTに懐疑的でした。しかし実際に活用してみて、生成する文書の表現方法に驚いたそうです。


【テーエム 渡辺竜海社長】
「伝えたいと思っている『温もりのある黒』がすごく表現されている。言い回しとか出てくるワードが斬新で『こういう表現方法があるんだ』と驚きがあった」

西村さんは「情報量の豊富な人材が制作チームに加わってくれたような感覚」だと話します。

【グラフィックデザイナー 西村隆行さん】
「『黒に輝く』という表現があって…。こちらの思い込みでは『黒は黒だしどちらかというと影になる方だよな』だったけど、なるほどそういう捉え方があるのか、というこちらの気づきになる

今回のパンフレット制作を通して、チャットGPTの“手応え”を掴んだ渡辺社長。
今後も、情報セキュリティーなどのリスクに気を付けながら、業務に取り入れたいと話します。

【テーエム 渡辺竜海社長】
「可能性は無限くらいに大きいものなんだろうなという意味では、これから活用してきたいし、楽しみでもあると私は考えています」


上手に付き合うことで、業務の効率化やアイデアの提供に期待の高まる『チャットGPT』。その世界的なルール作りが求められている中で、今後どのように活用されていくのか注目されます。