巨大アリーナ建設で「自然豊かな景観が損なわれるのでは」

 ほぼ毎週この植物園に足を運んでいる鰺坂学さん(75)。北山エリアで生まれ育った鰺坂さんにとって、植物園はまさにふるさとのような場所です。しかし、この北山エリアの再開発計画により植物園がピンチだといいます。

 (鰺坂学さん)
 「あくまで計画ですけども、ここに巨大なアリーナという1万人が入るものが建つということです。景観がどうなるんだろうか。あまりにもひどいと思います」
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 京都府の再開発計画では、植物園のすぐ南側にある京都府立大学の体育館を建て替え、1万人収容の巨大アリーナを建設します。鰺坂さんは『アリーナが完成すれば自然豊かな景観が損なわれるのではないか』と心配しているのです。さらに…。
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 (鰺坂学さん)
 「この建物を建て直してずっと向こう側まで木は切られると思います。ここにレストランの案が作られていて、多分レストランは必要でない」

 計画では売店や休憩所のスペースを広げて新たにレストランを建設します。このため建設予定地にある植物が伐採される恐れがあるといいます。

 (鰺坂学さん)
 「やり過ぎだと思いますよ。この時代、特に京都ですからね、良さを残しながらどういうふうにリフォームしていくのかと。そういう開発にしていただきたいと思いますね」

植物園の元職員も計画に反対

 計画に反対しているのは地元住民だけではありません。磯見吉勝さん(65)は京都府立植物園の職員として32年にわたり植物を見守ってきました。巨大アリーナ建設による植物への影響をこう指摘します。
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 (京都府立植物園・元職員 磯見吉勝さん)
 「病気が出やすい、そして日照不足で徒長してしまう。要するに、健全な光が入らなくてひょろひょろになってしまうとか、影響がかなり大きく出てくるんじゃないかなと。人工的な影響を受けるというのは相当怒りと憤りを感じる」