「浴びるように飲酒」母親の代わりに10歳から家事

両親が離婚したのは被告が10歳のころだ。その後は、母親、7歳下の妹との3人暮らし。裁判で被告の妹は、当時の暮らしについて証言した。

【妹への証人尋問】
ーー母親はどんな生活だった?
基本的にゴロゴロ、だらけている感じ。浴びるようにお酒を飲んでいた。朝起きると焼酎のボトルがあって、ひっきりなしに飲んでいた。
ーー被告人やあなたに対しては?
暴力をふるったり、嫌なことを言ったり。高校の制服を破られたこともあった。
ーー母親がうつ病で困ったことは?
(母が)「1人でいられない、寂しい」と。小学生の時に「1人になりたくないから」と学校に行かせてくれないことや、遊びに行かせてくれないこともあった。
ーー家事は?
母はできなかったので、兄が積極的にやって、私も手伝っていた。

被告は10歳のころから、料理や洗濯、掃除などの家事を全てこなしていたという。妹は「母親の良いところは」と問われると「正直良い思い出がない」と吐露した。

【妹への証人尋問】
ーー当時、誰かに相談は?
できなかったです、そういう力がなかった。みんなバラバラになってしまうと思っていた。幼少期に、兄がいてくれて本当に助かった。

6年ほど前、妹が結婚したのを機に実家を出て以降、被告はつきっきりで母親の面倒を見るようになった。