”大事な場面で1点を取りきる力”
2つ目のポイントは「大事な場面で1点を取りきる力」をつけたことだ。
去年9月の世界バレーフランス戦。あと1点取ればベスト8進出が決まる重要な局面で、石川は痛恨のサーブミスをし、チームも敗退。この経験から、シーズン前の会見では「1点を勝ち取る力を、1点を取りきる力をもっとつけていきたいというふうに考えてます」と語っていた。
狩野さん:
去年の世界バレーについて、ちょっと振り返ってもらいたいと思うんですけど、東京五輪金メダルのフランスとの戦い、ベスト8をかけたフランス戦ですよね。フルセットの末、敗戦してしまったと思うんですけど正直なそのときの心境を教えていただいてもいいですか?
石川選手:
悔しかったですし、それも、マッチポイントを取っていた中で負けてしまったので、相手にやられたっていうよりかは、自分たちでチャンスを逃したっていう印象が強いですね。
狩野さん:
やっぱり本当にああいう最後接戦になると、本当にその1点の差で、負けてしまったっていうところがあると思うんですけど。その思いを持って今シーズン挑んだわけじゃないですか。その思いっていうのが生きた場面とかってありましたか。
石川選手:
1点ほしいところでしっかり取りきるっていう選手にやっぱりなりたいなっていうふうには思いますし、悔しいという思いを経験したことで、その1点に対してとかの思いにはつながってるとは思います。
狩野さん:
その1点を決めきる力っていうのが、自分で一番出てたなっていう、振り返ってみてここが一番やっぱり良かったんじゃないかっていう、1試合を挙げるとしたら、どの試合を選びますか?
石川選手:
挙げるとするなら、最後の1点が一番分かりやすいのかなというふうには思いますけどね。
今年4月のプレーオフ準々決勝、強豪・ペルージャ戦。ベスト4をかけた大一番で、石川はチーム最多の18得点をマークした。勝利を決めた最後の1点は、石川の豪快なバックアタック。まさに“1点を取り切る力”でつかんだ勝利だった。
その後、準決勝と3位決定戦には敗れたが、イタリア挑戦8年目で初のベスト4入りを果たした。
来季はイタリアで9年目のシーズンを迎える。
狩野さん:
目標というのがあったら教えてください。
石川選手:
来シーズンはミラノでファイナルにいくことと、イタリアのリーグで優勝することしかないなというふうには正直感じてます。
