「正しい戦争なんてあるもんか」
(バナージ・リンクス「機動戦士ガンダムUC」)


 5月5日、鹿児島市の繁華街天文館の一角にある西本願寺鹿児島別院の正面を通りかかった時、寺の正面にある掲示板に目がとまった。そこに掲げられた力強い毛筆がコレだった。ガンダム好きの記者(46)に「ピキーン」ときた。
写真左奥にあるのが掲示板


●釈迦に説法かもしれませんが、あえて書こうガンダムシリーズとは

 ガンダムシリーズは日本を代表するアニメ作品だ。ファンからは「ファースト」と呼ばれるテレビシリーズ「機動戦士ガンダム」(1979年)から始まり、テレビ、映画などで様々な派生作品が生み出され続けている。この6月には、ファーストを舞台にした映画としては43年ぶりとなる「ククルス・ドアンの島」の公開を控え、10月からはMBS/TBS系でテレビ最新作「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の放送が始まる。

 お寺で見た言葉は、ガンダムUC(ユニコーン)という作品からの引用だ。ファーストの「ガンダム」は、作中の時間軸で宇宙世紀0078年から始まる。ガンダムUCは、これに連なる宇宙世紀0096年を舞台とするアニメ作品で、2010年から2014年にかけて発表された。

 主人公の少年バナージ・リンクスが、ふとしたきっかけでユニコーンガンダムに乗ることになり、対立する地球連邦軍とネオジオン勢力との間で戦いに巻き込まれながら、何とかして戦争を避ける道を探す物語だ。


●「ファーストから全作見ているんです」

 「正しい戦争なんてあるもんか」 ーこのセリフは主人公の少年・バナージが、ある少年と言い合いになるシーンに出てくる。会話中のほんのひと言なのだが、心に残るセリフだ。

 どんなお坊さんがどんな思いで選び、書いたのか。話を聞いてみたいと思っているうちに、この言葉を取り上げた一般の方のツイートがバズって8万いいねを超え、慌てて西本願寺鹿児島別院を訪ねた。
西本願寺鹿児島別院 繁華街にあるとは思えない静けさ

 言葉を選んだのは西本願寺鹿児島別院の僧侶・大幡融史さん(28)。教化部という部署で、お寺の広報的な仕事をしている。滋賀県出身で物腰やわらかな青年だ。
大幡融史(おおはた・ゆうし)さん

●ガンダム好きの僧侶を深掘りしてみた

(記者)
「“正しい戦争なんてあるもんか” どうしてあのセリフを選んだんですか?」