親子2代で40年 無投票当選も
島根県東南部。棚田が広がる風光明媚な町、奥出雲町。
高齢化率は45%で、過疎が進む。

島根県では、県議選で、12ある選挙区のうち、5つが無投票となった。
そのひとつ、奥出雲町を含む「仁多選挙区」の定数は1。
1983年の県議選を最後に、実に40年間、無投票が続いている。

自民党の絲原徳康 県議。
父親の義隆 氏が、3回無投票で当選。
地域の活性化を訴え、地盤を引き継いだ自身も、7回連続無投票で当選。
親子で10回連続となっている。

絲原徳康 県議
「(無投票で)多少うしろめたさは、ないといえば嘘になる。これまで一回も信を問う機会はなかったわけでありますので、評価を受けているのかどうかは、ちょっと残念ではある。(選挙が)できないというのは」
町民は…
「ほかに出てこないから仕方がない」
「絲原さんが出られれば、なかなかそこに対抗する人は、いないんじゃないでしょうかね」
対立候補を立てなかった立憲民主党の島根県連は…

立憲民主党 川井弘光さん
「正直言って、そんな簡単にやぶれるような壁ではない。相当なエネルギーがいるので、そのハイリスクなところに飛び込んでくる人が、なかなか見つからない」
奥出雲地方は、砂鉄などを原料とした日本古来の製鉄法「たたら」で栄えた。

絲原家は、松江藩の鉄師御三家のひとつとして、約400年の歴史を持つ。
奥出雲町の小学校の校庭に銅像が建てられていた。

絲原家13代目、徳康 県議の祖父にあたる武太郎 氏。
地域のために鉄道を敷き、銀行も設立した人物だ。

父の義隆 氏は14代目にあたり、山間部の道路網の整備などに尽力した。

そして15代目が、県議選で無投票当選が続く徳康 氏。
父親と合わせて約70年間、県議を担ってきた。

Q 地盤を息子に次ぐか
絲原徳康 県議
「本人の意思にまかせようと思っています。あなたは政治家をやらないけない、という時代はもう過ぎ去った」