「最終処分場どこに置くんですか?」住民説明会では厳しい声も

2022年6月の住民説明会。双葉町は、原発事故による汚染廃棄物を保管する「中間貯蔵施設」を抱えていることもあり、避難先にいる町民からは、厳しい声もあがった。

町民
「1000人くらいにはなるんですか、将来的に?」

伊澤町長
「町として避難指示解除してから、目標として5年で2000人という目標を立てています」

町民
「2000人、3000人になってもあれですが、町をこれから何年続けていくんですか?やめたらいいんじゃないかなって何回も言っているんです、双葉町も大熊町も。最終処分場ってどこに置くんですか?双葉町と大熊町につくるしかないでしょ、こんなもん」

伊澤町長
「双葉町という町が日本の中でなくなってしまうことが、私としてはどうしても納得できない。なんで双葉町が犠牲になって、無くならなくてはならな
いのか、そういうことはあってはならない、必ず復興させなくてはならない。これは我々の気持ちだけではなく、国として、このエネルギー政策をした責任を、しっかりと負ってもらう」

このまま町を存続すべきなのか。避難先に拠点がある町民たちの思いも複雑だ。

この日、伊澤町長は、かつて開業していた動物病院があった場所を案内してくれた。

伊澤町長
「家を建てて、ここに住もうかなと思って」

老後の資金を取り崩し、もとの場所に自宅を再建する。双葉町に骨を埋める覚悟だ。

伊澤町長
「土地に対する愛着というか、双葉町のこの場所で生活をして、子どもたちを育てて、自分も周りの人たちに助けてもらって、ここで生活ができてたっていうことです。金銭に変えられるような話ではない。その思いだけです。私はこの町でおそらく命を終わるって思っているので、この家は終の棲家だと考えています」