加計高校がある安芸太田町の加計地区です。地元の人たちは、加計高校がことし、倍率が高くなったことに驚きと喜びを隠せません。

地元住民たち
「ぶったまげたね。ほんま、加計高校が1位? (志願倍率)2.2なんぼだったよね。それは、すばらしいのおと思うてね」

「年寄りばっかりじゃけえね。ほとんど高齢者ばっかりじゃけえ。今は若い子が通ってから、あいさつするのはいいんじゃない。明るくなると思う」

「生き生きとした子どもたちが町内あちこちで見かけられることになると、かなり地域の人たちもですね、活力はわくんじゃないかと思っています」

…というのも、加計高校は、もともと人口減少などによって志願者数が入学定員に満たない「定員割れ」が続く高校だったからです。

地元住民
「可部線とかがなくなって、通ってこられる子が少なくなって、生徒が少ないという状態だった」

中には町外の高校に子どもが進学するのに合わせて、全員が引っ越しする家族もいました。

地元住民
「その頃はね、自分の子どもがね、全部、加計高校を卒業していたから、さびしくなるねと思いました」

そんな中で、生徒増加のための取り組みを進めてきたのが、加計高校の社会科担当・片岡巧 教諭です。生徒数不足で統廃合の危機にあった島根県 隠岐諸島の高校が、全国から生徒募集を始めたことを知り、当時の校長たちと相談し、8年前から加計高校でも取り組むことにしたのです。

片岡巧 教諭
「最初の2~3年のころは一番のアピールポイントは射撃部でした。当時の本校で全国にPRできるような実績を上げているといえば射撃部で、とにかく一点推しでPRを始めました」

射撃部は全国的にも珍しい部活であったことから、県外から生徒が入学してくるようになり、今度は彼ら自身が国際交流やボランティア活動などの魅力の発信を始めました。その結果、生徒数も徐々に増え、ついに定員割れを解消したのだといいます。

片岡巧 教諭
「まず、うれしかった。もう1つは自分たちのやってきたことや、生徒たちががんばってきたことが確実に結果に結びついたなと」