「オリガルヒ」の相次ぐ不審死…侵攻以降で少なくとも7人


  ーーそしてロシア国内の話です。ロシアの新興財閥「オリガルヒ」で相次ぐ謎の不審死という話です。中村教授によりますと、プーチン政権下で巨額の利益を得てきた新興財閥「オリガルヒ」約210人いるということですが、莫大な財産を築いているということで、プーチン大統領を支える見返りに、既得権益を拡大していると。一方で、オリガルヒはウクライナ侵攻以降、世界各国から資産の凍結があり非常に、苦しい思いをしています。4月18日にオリガルヒのメンバーであるガスプロムバンク元副社長のアバエフ氏がモスクワ市内の自宅で、銃を握った状態で死亡しているのが見つかりました。また、妻と娘も遺体で発見されたということです。その翌日、4月19日には天然ガス大手「ノバテク社」の元副会長・プロトセーニャ氏がスペインのリゾート地で首を吊った状態で死亡しているのが見つかったということで、妻と娘も遺体で発見されています。地元警察は一家心中の可能性があると報道されています。一体どういうことなのでしょうか?
「アバエフ氏は銃で撃たれてますけれども、この銃が不思議でロシアの特殊部隊しか持っていない銃が使われたということで、これは自殺と言われていますが、プーチン政権がそもそも関与したのでなないかという疑いがあるということなんですね。なぜかと言いますと、元々プーチン政権と非常に仲が良かったオリガルヒらが今回の軍事作戦による経済制裁を欧米から受けて大変ひどい目に遭ってるんですね。ですからオリガルヒの中でもプーチン大統領に対する批判というものが出てきてるんですね。そうした中でかつての友人といえども、容赦なくもしかしたら殺害に関わっている可能性があると、ロシア国内のメディアも報じています」

 ーーでも銃はいわゆる証拠ですから、いざとなれば隠したりすることもできるんじゃないですか?
 「不思議ですよね。実はこんなことが明らかになること自体がプーチン政権からすれば見せしめですよね。わざとですから今回の軍事作戦に対して少し批判的なことを言ってる人が大勢いるんですけども、『そんなことをしたらこういうふうなことになるよ』という、いわゆる脅しであり、見せしめでもあるわけなんですね」

 ーー気になるのはガスプロムとか天然ガス大手関連ということで、今ロシアで一番外貨を稼げる産業でもありますよね。そこの元副社長と元会長がこういう目に遭ってるのもちょっと引っかかるんですよね。
 「2人とも『元』ですよね。ということは、プーチン政権の汚職などお金の動きをよく知っている人たちが、まず消されてしまったという疑いが強いわけですね。プーチン大統領は反逆者に対しては地球の裏側に逃げても引っ張り出すぞということをこれまでに何度も言っています。そういう意味で、裏切った者は絶対に許さないという意思表示にも取れるんですね」