停戦・終戦まで“5年”との見方も

日比キャスター:
ではウクライナ侵攻の「停戦」「終戦」に向けた動きは、今後どうなっていくのでしょうか?明海大学の小谷哲男教授は、「2023年中に『停戦』『終戦』の可能性は極めて低い。少なくとも2~3年は続くだろう」という見解でした。


それから笹川平和財団の畔蒜泰助氏は「『停戦』『終戦』はかなり遠い。中国がロシアを支援すれば5年続くこともウクライナがクリミアを取り戻すなどといった大きな動きがあれば、ロシアの核兵器使用もありうる」といった危機感を示しています。

中国が「軍事転用」可能なモノを供与する可能性は“非常に高い”

ホランキャスター:
ゼレンスキー大統領は、以前こういった「軍事的な武器などの支援を迅速に行ってほしい」というようなことも話していましたが、どこまで、こういった武器供与や軍事的支援を継続できるのでしょうか?

慶應義塾大学 廣瀬陽子教授:
これも非常に難しい問題で、やはり時間が長くなればなるほど、また兵器が高度になればなるほど、それらを負担している欧米諸国というのは非常に厳しい状況に置かれます。そこは、ロシアとのイタチごっこになってくると思います。

欧米としても、早期からかなり高度な兵器を渡してしまうと、ロシアを刺激することになるので、その辺は、ロシアの出方を見ながらという形で、供与しているわけですが、しかし、それが遅れるとロシアが攻勢に出てしまうということで、非常に微妙な舵取りを迫られている状況だと思います。

井上キャスター:
他方で、ロシア側の状況については、中国がロシアに武器を供与するのではないかということと、最終的に核の使用についてはどうなのでしょうか?

慶應義塾大学 廣瀬陽子教授:
まだすぐに中国はロシアに、兵器を供与するというところまでにはいかないと思いますが、部品や半導体などの供与、つまり軍事転用するのに非常に重要なもの関しては、供与していく可能性が非常に高いというふうに思います。そして、ロシアにとっては、今イランとの軍事協力は非常に重要なのではないかと思っています。

イランは制裁を受けている状況で、いろいろな軍事物資も作っています。そういう中でいかに戦っていくかということも大事だと思います。そして核については、本当に最後まで追い込まれた時というのは使いかねない可能性はありますが、戦っているうちは、核を使うということはないと思います。