「学校作成」と「市教委作成とみられる」記録を比較…『聞き取り』がないことに


 今回、取材班が入手した学校作成の調査記録。実は、これとは別に教育委員会が当時作ったとされるもう1つの『いじめの記録』が存在していた。2つを比べると明らかに違う点があった。

 学校側の記録では、2006年2月5日にAさんから初めて聞き取り調査を行っている。同じ日の市教委作成とみられる資料にはAさんへの聞き取りはなかったことになっている。

 【2006年2月5日についての記録の比較】
 (学校作成の調査記録)
 「Aさん宅を、教頭、担任教諭、生徒指導係教諭の3名で訪問し話を伺う」
 (市教委作成とみられる資料より)
 「学校が調べを始める。6名の加害児童と保護者から聞き取りを実施」

 2006年2月24日。学校側の記録では、Aさんと母親が教頭や担任教諭にいじめについて話をしたと記されている。

 しかし、2月24日の市教委作成とみられる資料には“母親が学校に電話をかけた”としか書かれていない。

 入手した2つの資料を元教育長の西川さんに見てもらうと…。

 (神戸市教委・元教育長 西川和機さん)
 「(Q学校側が作ったものと教育委員会が作ったもの、通常は2つが存在する?)学校側が作ったものに、教育委員会がどのような指導をしたかが加わるだけで、こういうように書き換わるのは考えられない」