神戸市教育委員会だけが認めない17年前の“いじめ”。取材班が独自入手した学校作成の調査記録によると、被害児童のAさんから少なくとも8回聞き取りを行っていて、学校側はいじめの実態を把握していた。しかし、神戸市教委が作成したとみられる資料によると、Aさんへの聞き取りはなかったことになっていて、意図的に書き換えられた可能性もあるという。一体なぜこのようなことが起こっているのか?取材班は今回、神戸市教委の元教育長に話を聞くことができた。

開示求めても「ない」とされてきた『学校作成の記録』を入手


 今は27歳になった、Aさん。17年前の2005年、小学5年生だった時に、同級生13人から教科書を破られたり、殴る蹴るの暴行を受けたり金を恐喝され、総額50万円以上を両親の財布などから抜き取り渡していた。

 (被害児童だったAさん)
 「家族ですね、一番は。本当に温かく愛情をもって育ててくれたりとか、死んだら悲しむだろうなと思ったので、悲しませたくないなという気持ちは一番あったので、絶対死なないでおこうというのはすごくありました。時間が経って何であんなことをしたんかなと思うんですけど。たぶんなんか、自分の意思で行動ができなかったような感じですね」

 取材班は、当時学校側が作成したAさんらへの聞き取り調査の内容が記された17年前の『いじめの記録』を独自に入手。これまで教育委員会の内部で保管され、Aさん側が開示を求めても「ない」とされてきた資料だ。

 (Aさん)「どこから見つかったんですか?」
  (記者)「もともと教育委員会の内部にあった資料で」
 (Aさん)「全部はまだ見られてないですけど、僕が見たページは全部事実ですよ」

 Aさんへのいじめをめぐっては、加害児童13人のうち10人が認め、大阪高裁が加害児童全員のいじめ行為を認定している。

 しかし、神戸市教委だけが「Aさんから聞き取りができず、十分な調査ができなかった」として、今も認めていない。

 (神戸市教委 長田淳教育長 2019年)
 「男子児童から詳細な事実関係の確認ができず、男子児童が話したとされる内容を保護者から間接に聞くに留まったこと。当時十分な調査が行えず、いじめ・恐喝があったかどうか学校も教育委員会事務局も判断できなかった」

今回入手した学校作成の記録によると、Aさん本人には少なくとも8回、聞き取り調査が行われ、学年集会・アンケート調査などで学校側はいじめの実態を把握していた。