元教育長『市教委が隠ぺい』と指摘 背景に柔道部員死亡事案による「自己保身」か

一体なぜ、神戸市教委はいじめを認めないのか?Aさんへのいじめが始まった2005年の前年(2004年)まで、神戸市教委の教育長を務めていた西川和機さん(78)。今回、「内部で起きていたことを話したい」と今年3月に取材に応じた。
(神戸市教委・元教育長(2004年まで) 西川和機さん)
「率直に言って、なぜこの隠ぺいが続く、隠ぺいの連鎖が起きるのかということに驚いています。50万円というお金を1人の子どもから7人の子どもたちがもらうという異常事態。当時の学校長は、きちんとした調査と報告をしています。その後、その事実を公表することを逡巡したと。それは市教委の幹部の指示以外考えられません」
元教育長の西川さんは、学校が作成したいじめの記録を市教委が隠ぺいしたと指摘している。
(神戸市教委・元教育長 西川和機さん)
「(Qなぜ隠ぺいしなければならないのか?)この時代に起きていた学校での不祥事、柔道部の合宿で顧問の体罰によって生徒が亡くなってしまうと。その時の市教委の対応のまずさ、やはりそういうものが背景にあって、この異常な事態を公表するのをためらったのではないかと」

Aさんへのいじめが始まっていた2005年の8月。中学1年の男子生徒が柔道部の合宿中に熱中症で死亡した。当時、顧問に体調不良を訴えていたが無視され、腹を蹴られるなどの体罰を受けていたことが発覚した。西川さんの後任だった当時の教育長S氏は、この事案で処分を受けている。

Aさんの問題が発覚したのは、この半年後だった。
(神戸市教委・元教育長 西川和機さん)
「度重なる失敗を出したくないという『自己保身』。その後続く人たち(教育長ら)は、役人の世界でよくある『同調圧力』」